横浜地方裁判所 昭和41年(ワ)575号 判決
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〔判決理由〕前叙≪中略≫認定の事実によると、永沢は、第三者(その友人)から金一〇〇、〇〇〇円を借受け、本件家屋を貸主のいう方法で担保に供し、履行確保の方法をとるにつき、一切の原告の代理権を授与されたものというべきである。一般に、夫名義で賦課された所得税、夫婦の居住する家屋の固定資産税を支払う債務はもとより、その支払資金を借受ける行為も日常の家事債務に属し、夫婦が連帯責任を負い、右借金のため夫名義の居住家屋を担保に供するほかない場合には、右家屋所有名義に合せる便宜上、妻は第三者を夫の代理人に選任し、他人から右金員を借受や居住家屋を貸主のいう方法で担保に供し、貸主のいう履行確保方法(公正証書作成等)をとる行為につき、夫の代理権を授与することができると解される。けだし、夫婦の日常の家事債務の履行は、一椀を分つべき扶助義務の根本となるのであるから、婚姻の効力として、相互に右債務履行の必要最少限度で、各特有財産を処分することを委任されているとしなければ、婚姻関係の維持ができないからである。本件で、原告の妻晋子が永沢に対し、税金支払資金の融資を委任し、同人に前叙のような夫原告の代理権を授与したのは有効であり、永沢は前叙の範囲で基本代理権を有したものといえる。(高木積夫)